2001年11月18日
投稿者 佐音友俊
『特撮談義3』
特撮が主役のアクションという観点で言うと、雨宮慶太監督の作品が目立っている。
最近は「鉄鋼機ミカヅキ」でとうとう実写スーパーロボット物を手がけてしまった。
子供向きでないマニアックな作りが炸裂していて、「未来忍者機忍」以来のファンであ
る私は大層喜んでしまった。ロボコンの時にはロビーナちゃんの方に目がいっていたの
だが、なんつってもここは社長の活躍と懐かしの火星ロボットみたいな月光機の奮戦で
しょう。
特撮とは関係ないが高岡早紀は「バタアシ金魚」の頃から好きでしたね。彼女は「忠
臣蔵外伝 四谷怪談」で大きくブレイクしたが、あれは特撮時代劇とはいいがたい。
「機忍」にも「ミカヅキ」にも白鳥靖代が出ていますが、あの時のお姫様が今では地球
防衛軍みたいな組織の隊長をしているんだから人には歴史がある。
彼女の不運は中山美穂に似ていたことでしょうか。中山美穂はファンタスティックムー
ビーとしては、かろうじて「Love letter」くらいしかない。妹の忍はすっかり特撮ヒ
ロインとして安定した地位を確保してしまった(ゴジラとガメラの両方を制覇してしま
った)が、姉は中途半端なまんまである。いつまでもいい女ぶっていると休みの日に昼
間からビールを飲んでいるような・・オールドミスになってしまうなぁ。
しかしミカヅキは閉じた世界を描いた特撮大作でした。きっと後三十年後にハリウッド
で模倣作ができるのではないでしょうか。
「ゼイラム」は1と2があるけれどどちらもスピーディでオリエンタルでいい感じです
。イリアの魅力は2の方が成熟している感じがする。美少女というには無理があるがま
あ美女アクションとしてはかなり安心して観ていられます。特にラストバトルの健康な
お色気ってものはいい感じ。
エロに走らないクリエーターの気高さを感じます。
特撮のイメージからすると敵の怪物がターミネーターぶりを発揮する1がスリリングで
よろしい。
閑話休題。先日、やっと雨宮監督の「タオの月」を観ました。私はなんとなく「ゼイラ
ム3」は時代劇なのかと思いつつ、ずっと「タオの月」を追いかけていたのですが、な
んともいえない珍作でしたね。
「ゼイラム」に出ていたイリアこと森山祐子に関しては、あの無感情な台詞回しは演技
が出来ないんじゃなくて、感情が全く表に出ない賞金稼ぎを演じている演技なのかと思
っていましたが、「タオの月」を観て訳が分からなくなった。
森山祐子は演技が出来ない人なのかも知れない。特撮物ではないが、長江健次主演の「
潮風にとべ!! ウルトラマン」では深窓の令嬢といった役どころで、アイドルアイド
ルしていただけだったし、全く謎の人である。
低予算の割には野伏せりの軍団なども大勢出て、活劇も楽しめたと思いますが、マカラ
ガという怪物はまあゼイラムみたいなものだと思えばいいのかも知れないが、なんか格
好悪かったなぁ。
ゼイラムや機忍に出ていた怪人の方が格好良かったと思います。もう少しマカラガの生
態をゆっくり描ければ、リアリティが増したのだろうが、そうすると映画のバランスが
崩れてしまうので、仕方がないところでしょう。
石井聡吾監督、浅野忠信主演の「五条霊戦記」も特撮アクションの範疇だが、「さくや
−妖怪伝」と並んで2000年の邦画の最大の収穫でしょう。日本人の演じるアクショ
ンで一番様になるのは剣劇ですから、このジャンルはもっと大切にして欲しい。
雨宮監督で言うと後は「人造人間ハカイダー」。この映画ではパンチにイフェクトがつ
いているのが当時としては新鮮でした。「仮面ライダーZO」は単品でよくまとまって
いる作品でした。高速のワイヤーワークが面白かった。
残念だったのはゲストの宇宙刑事アニーこと森永奈緒美がまるで活躍してくれなかった
ことです。
「仮面ライダーJ」は掟破りの巨大変身が売りでしたが、最後の敵が妙な物体だったので
、巨大ライダーアクションとしては納得がいかないし、出来映えもいまいちでした。
特撮アクションというと後はホラー物にすり寄っていってしまうのですが、ホラーは
そもそも嫌いですからあまり観ていません。
まだ「NIGHT HEAD」でブレイクする前の飯田譲治の「キクロプス」は観ました。阿藤
海がターミネーターみたいな格好で出てはくるのですが、気持ちの悪い映画でした。劇
場版「エコエコアザラク」は三作とも観ましたが、どれもぱっとしなかった印象です。
黒井ミサという魔女はもっと強くていいのではないかと思いました。そういう意味では
一作目は「うっかり魔力を封印されてしまったので」という展開だったので理にかなっ
てはいるのですが、菅野美穂の破顔一笑の迫力に負けています。カルト女優カンノの誕
生として日本ホラー映画史に残るでしょう。大河原孝夫の「超少女レイコ」はなんだか
企画自体がよくわからない映画でした。一番怖かったのは年齢不詳の佐倉しおりの存在
そのものだったかも。
最近はやった「リング」シリーズはショッキングなシーンなどはありますが、特撮と
いえるほどのものでもない。単に怪談話の延長です。気味が悪かったのは真田広之の肋
骨と深田恭子の死に顔でしょうか。
作りとしてはテレフィーチャー版の方が原作に忠実で、良くできていたと思います。
古い話に戻りますと特撮アクションの範疇に入れて良さそうなのは「妖怪ハンター ヒ
ルコ」。上質な青春ホラーアクション映画だと思います。勝新太郎や緒形拳が出ていた
「孔雀王」シリーズもエリアル合成らしい光の洪水以外は観るべき箇所がない。緒形拳
は変な映画に出るのがつくづく好きらしい。変と言えば仲代達也も「妖獣都市〜 香港
魔界編〜では日本ではお目にかかれないような怪演ぶりだった。とても世界のクロサワ
組の主演俳優とは思えない。
宍戸開が主演した「8マン〜すべて寂しいよるのために」があったが、「8マン」は
マンガには及ばない。造形が桑田次郎に追いつけない。ただサチコさんが清楚な美人だ
ったという思いが残っていますが、一体女優は誰だったんでしょう。雰囲気は悪くはな
かったし、高橋悦史は昔から好きな俳優でしたが、特撮が駄目だった。
香港クルーの活躍といえば「帝都大戦」。全体的にこじんまりとまとまっているが、空
中でねじ切られる兵士の映像に特撮らしさを感じた。円谷プロの「超高層ハンティング」
は超能力者の空中戦がメインなのだが、映像のイメージが貧困。ビデオ特撮の限界を感
じさせてしまった。当時に比べれば今のハイビジョン特撮には隔世の感がある。原口智
生監督作品の「ミカロイド」。装甲騎兵ボトムズみたいなデザインの旧日本軍の秘密兵
器みたいなサイボーグによる地下室のような空間でのバトル。閉鎖的で、つらかったな
ぁ。毒蝮三太夫が警備員役かなんかで出ていたような記憶があります。
有象無象の美少女変身アクション、美少女ホラー路線とかあるようですが、さすがに
見きれません。初期の「13日の金曜日」などに観られるようにホラーと美少女とエッ
チは切っても切れない関係があるようです。要するにB級作品にセールスポイントとし
て裸は不可欠であるということか。製作費の大半を大俳優のギャラに費やすのと、女の
子を脱がすのと、どっちがその手の映画を見る観客にアピールするかというのは製作と
監督の綱引きだろうなぁ。美女の裸は、それはそれで特撮ビジュアルとは別な感動を呼
ぶので結構なのだが、裸以外の時の演技があってこその裸なんだから、演技をする裸で
あって欲しい。
B級映画の「ターミネーター」で、リンダ・ハミルトンは脱いでいた。「トータルリ
コール」の時のシャロン・ストーンも脱いでいた。あっと「トータルリコール」は既に
B級ではなかったか。超A級扱いの「ターミネーター2」では脱いでセールスになりそ
うな女優は出ていなかった。あの時のリンダがまた脱いでも、誰も反応しなかったでし
ょう。夫キャメロンの判断は正しい。唯一、全ての映画で脱いでいたのはシュワちゃん
本人だけだったか。